92年に日本男子初のツアー優勝をとげた松岡修造氏(49)が、女子テニスで元世界4位の伊達公子(46=エステティックTBC)の引退について、心境を延べた。

 「彼女の中での選択なので、僕自身もしっかり受け入れています。ただブログを見ると、もっともっとプレーしたいという気持ちの中でのつらい決断だったと思う。僕は31歳で引退したので(46歳での引退は)比較できないくらいのすごさ。ここ1、2年は『結果がすべてじゃない』ということを見せてくれた。伊達公子自身がどこまでできるか、を追求することが(その姿を)生き生きさせていた。痛みやうまくいかないことさえも楽しかったと思う」

 松岡氏は95年ウィンブルドンでベスト8に進出。94年全豪、95年全仏で4強に入った伊達とともに、日本テニス界に大きなうねりを呼び起こした。

 「伊達さんは(日本テニスの)可能性を作った選手だった。ライジングを武器に、背が小さくても、力がなくても、トップまで戦える可能性を導いた。僕はジュニアの指導も行っていますが、伊達さんほどチャレンジ、挑戦が似合う人はいない。誰に言われたわけでなく、自分がやりたい、限界を突き詰めたいと」

 現役ラストは、9月11日開幕のジャパン女子オープンになる。松岡氏は「最後の試合は、彼女自身がテニス人生のすべてをかけて戦う試合になる。伊達公子の、たくさんのメッセージが見えてくる。僕も、そして皆さんもそのメッセージを捉えてほしいと思います」と神妙に口にしていた。