敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は、3Dプリントサービスの最大手、ShapewaysのCEO兼共同設立者であるピーター・ヴィーマルシャーセン(Peter Weijmarshausen)さんの仕事術です。
3Dプリンターと聞くと、仕上がりがちょっと雑なプラスチック製のものを自分で作りたい人たちのためにあるニッチなデバイスだと思うかもしれません。でも、Shapewaysは違います。本格的な工業機械を使用して、ハイレゾ3Dプリントを広く普及させているのです。
さかのぼること2007年、ピーター・ヴィーマルシャーセンさんは電子機器メーカーPhilips社のスピンオフとしてShapewaysをRobert SchouwenburgさんとMarleen Vogelaarさんと一緒に共同設立しました。ごく普通のお客が3DプリントしたいCADファイルを持ち込むと、たちまちプロトタイプが製作される仕組みを作りたかったのです。もちろん、2008年の発足当時は3D プリントのマーケットは誕生したばかりで、今よりはるかに小さい規模でした。その後、愛好家やプロの間でカスタマイズしたものの製作が一般的なソリューションとなり、多様で無料の3Dモデリングアプリも出現して、プロセスの民主化を推進してきました。しかし、もはや話はプロトタイプに留まりません。Shapewaysはオンデマンド製作マーケットの中でも特にアート、宝飾品、おもちゃ、機械部品の業界を力強くけん引しています。
ピーターさんはどのようにして自身のワークフローを素早く形にしているのでしょうか。彼の仕事術を聞いてみました。
── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?
Googleのアプリです。これがあるおかげでどこでも仕事できます。デスクトップでもラップトップでも、iPadや携帯電話でもメールや文書が読めます。他には、リアルタイムでチャットできるチームコミュニケーションアプリSlackでしょうか。
── 仕事場はどんな感じですか?
オフィスには普通のデスクを持っています。個室になった閉鎖的なオフィスもキュービクルも無く、チームのみんなとオープンオフィスで仕事をしています。自宅にはデスクとPCを置いた書斎があります。
作業場のプリンター── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?
ToDoリストを常に短くしておくことです。最も重要なことだけをリストに載せて、ASAPでやってしまうことです。それ以外の重要度の低いことは、文字通り、重要度が低いのです。
── 愛用しているToDoリストマネージャーは何ですか?
実はToDoリストマネージャーは使っていません。紙のノートにどんどん書き込みます。書き出すと忘れずによく覚えていられます。
── 携帯電話やPC以外で、「これがないと生きていけない」というガジェットはありますか?
Shapewaysで製作今使っているiPhoneカバーでしょうか。名刺や電車のカードを入れています。3Dプリントで製作したもので、Noesisのデザインです。
それから、もちろん3Dプリンター全般です。自宅には持っていませんが、私はShapewaysを通してこの世に存在する最高品質のプリンターにアクセスできます。
── 日常のことで「これはほかの人よりうまい」ということは何ですか?
証明できない限り、自分が他人より何かをうまくできると思うのは好きではありません。でも、車の運転が好きでヨーロッパではレースに出ていました。PCに今でもそれが残っています。同じタイムが出せる友人は誰もいません。
── 仕事中、どんな音楽を聴いていますか?
電子ダンス音楽を聴くか、何も流さず静けさを楽しんだりですね。好きなDJはArmin van Buuren、W&W、Menno de Jongです。
── 今、何を読んでいますか? オススメの本はありますか?
天体物理学にとても興味があります。ぜひお勧めしたい本は、スティーヴン・ホーキング著『ホーキング、宇宙を語る』です。リーダーシップに関しては、Arbinger Instituteが出している『Leadership and Self-Deception』を強くオススメします。
── どのように充電していますか?
私はニューヨーク・シティ郊外に住んでいるので、ハイキングや庭仕事など、屋外に出ることで充電しています。水泳も好きで、しょっちゅう水の中にいますよ。
ミニチュアプリント── 睡眠習慣はどのような感じですか。夜型ですか。朝型ですか。
以前は夜型で、夜更かししては朝起きるのに苦労していました。3年前に娘が生まれてからは、少し早起きするようになり、基本的に夜12時には就寝します。iPhoneを目覚まし時計にしています。
── 今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?
起業家のイーロン・マスク氏。
── これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください
すごくたくさんありますからね~。でも1つだけ挙げるとしたら、「問題には、象が木を押すときのようにアプローチしろ」です。突進して頭を激突させるのではなくて、ゆっくり歩み寄り、頭をくっつけて問題が解決するまで押し続けるということです。
── そのほかに読者やファンに伝えたいことがあればどうぞ
ライフハックとは現状に甘んじないことだと私は解釈しています。だから、私から読者へのアドバイスは、物事の取り組み方ややり遂げ方に日々挑戦して欲しいということです。なぜなら、まるで間違ったやり方をしているかもしれないからです。楽勝な方法にお手軽に飛びついてはダメです。まず、小さなハックを見つけて上達したら、次のハックに移りましょう。一歩一歩進歩してください。Andy Orin(原文/訳:春野ユリ)