新たなスーファミ互換機 Super Nt 発表。実機カセットや周辺機器もそのまま使用可能
国内では任天堂公式のミニスーパーファミコン、『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』の品薄が今なお続いていますが、海外で新たなスーパーファミコン互換機「Super Nt」が発表されました。

開発・販売するのは、以前も初代ファミコン互換機「Nt Mini」を送り出したAnalogue社。任天堂のミニスーパーファミコンは内蔵ソフトのみが遊べる製品ですが、Super Nt ではスーファミおよびSNES(海外版スーファミ)のROMカートリッジや、マウスなどを含めたオリジナルの周辺機器をそのまま使うことが可能です。

価格はコントローラーは別売りで189.99ドル(約21500円)。同社のサイトにて予約受付中です。特許の期限切れもあり、1990年発売のスーファミ用に作られたカートリッジが遊べる「互換機」は珍しい存在ではありません。海外ではRetroN 5、国内ではレトロフリークといった、スーファミどころかファミコンやメガドライブ、PCエンジンなど数機種を網羅した製品もざらにあります。

RetroN 5・レトロフリークなど、レトロゲーム互換機 5モデル詳細比較。意外と違う基本機能

そこにSuper Ntが投入された意義は、同社によればオリジナルとの並外れた互換性の高さ。「2200以上ものSNESおよびスーファミのカートリッジライブラリ」と互換性があるとされています。

国内でのスーファミ総タイトル数が約1400本(諸説あり)、海外のタイトル数は不明ですが(同一ソフトのローカライズなど数え方の問題もあるのでしょう)、同社の主張を信じれば、かなりの互換性を誇っていると思われます。

そうした高い互換性を実現するため、Super Nt にはFPGAを採用。FPGAとはハードウェアを再現するためのチップで、ハードウェアそのものを記述する言語「VDHL」を使用するもの。過去にも「1チップMSX計画」に用いられたことがあります。

映像および音声出力はHDMIで、解像度は最大で1080pに対応して表示ラグはゼロ。現代のワイドテレビでもオリジナルのアスペクト比の保存や、複数の解像度、スキャンラインの有無など、ゲームを現代風にもレトロ風にもできる数々の表示オプションを備えているとのこと。

音源も懐かしの48kHz・16bitステレオ出力を再現しているとされています。

コントローラーはPS4用のDUALSHOCK4など最近のBluetoothコントローラーが使用可能。先にも述べた通りオリジナルの周辺機器も使えるほか、専用のワイヤレスコントローラーも39.99ドル(約4500円)で販売されます。



ミニスーファミのように「いつでもセーブ」や「リプレイ」機能もなく、ただ「過去のカートリッジを最新の大画面テレビ環境で遊べる」だけ。それで2万円以上は割高感が否めません。

が、こと「再現度」について本当に実機並みであれば、コントローラーも当時の製品から最新のBluetooth機器まで選択肢が幅広く、そこに価値を見出す人には「買い」かもしれません。

カラーバリエーションはスーファミ風・SNES風・黒・スケルトンの4種類。スーファミとSNESカートリッジの両対応をうたっていますが、両者は形状が物理的に違うため、別のアダプタを使うのか、それとも「一つの挿入口で2つに対応する工夫」なのか気になるところです。

同社の通販では、全世界への発送に対応。日本からの注文は50ドル(約5650円)の送料がかかります。