ブラックベリー、携帯端末の自社生産終了
【シリコンバレー=藤田満美子】カナダの通信機器メーカー、ブラックベリーは28日、同社が開発するすべての携帯端末について自社生産を終了し、外部企業に委託する方針を明らかにした。販売低迷で不振の続くハード事業を見直し、セキュリティー機能強化などソフト事業に経営資源を集中させる。
第1弾として、ブラックベリーはインドネシアの携帯販売会社ティフォン・モバイル・インドネシアと組み、ティフォンなどが設立した新合弁会社に対してブラックベリーの携帯端末向けソフトなどをライセンス供与する。新会社はインドネシアの国内で「ブラックベリー」ブランドの携帯端末を生産、販売する。
ブラックベリーは2000年代初頭から半ばにかけ、パソコンと同じようなキーボードを搭載した多機能携帯端末で米国の法人や政府機関を中心に高い人気を誇っていた。その後は米アップルなどに押されて販売が急減。ハード事業効率化のため、2013年には台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と業務提携し、一部端末の生産や在庫管理の委託を始めていた。
28日に発表した6~8月期の売上高は前年同期比32%減の3億3400万ドル(約335億円)、最終損益は3億7200万ドルの赤字(前年同期は5100万ドルの黒字)。端末の販売台数は40万台と前年同期の半分に減った。
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