「レンズは資産」なんて言葉があります。カメラボディがダメになってもレンズはまだまだ使える。私も譲り受けたものですが、銀塩フィルム時代のレンズが現役です。ならばこそレンズは大切に扱いたいもの。

高価なレンズを守るうえで欠かせないのが、保護フィルター、そしてレンズフードです。市場価格700円ほどの低価格ながらも、しっかりと役目を果たしてくれるKenkoの「HOYA」をご紹介します。160822_lht_dslr_hoya_2.jpg

フィルターと同じように取り付けられる、ラバー製のフードです。単焦点レンズはもちろん、レンズの画角に合わせてフードの長さを3段階に変更することができますから、ズームレンズにも使えます。

ラバー製ゆえに柔らかく、バンパーのような働きをしてくれます。少し前からネックストラップをやめてハンドストラップを使っているのですが、扱いに慣れるまでは何度かヒヤッとしたことも。ええ、ローアングルで撮影していると気に手を滑らせました。フードを付けていなかったら、保護フィルターがオシャカになっていたかもしれません。

他にもうっかりレンズ表面を触ってしまう、ということも避けられるので撮影に没頭できます。小雨の時はレンズに水滴がつくのを防いでくれるので、印象的な写真を撮るのに一役買ってくれそうです。

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ラバー製、ということでプラスチック製のフードにはない、ちょっとしたメリットがあります。柔軟に形をかえるので、カメラバックの中で緩衝材のような役割を果たしてくれます。多少型崩れしますが、しばらく経てば元に戻ります。

また、「ガラス越しに風景や夜景を撮りたい」「水族館などで魚を綺麗に撮りたい」そんな時には、このラバーフードをガラスに押し当てシャッターを切れば、室内の映りこみのない綺麗な写真が撮れるでしょう。

そもそもレンズフード第一の役目はよりよく写真を撮ることです。光は美しさの源ですが、いいことばかりじゃありません。写真に直接は写らない、けれども、フレームの外からレンズに入り込んで悪さをする光があります。レンズフードはそういった余計な光を遮ります。

最近のレンズは優秀なコーティングがされており、普段は気にする機会は少ないですが、それでもやはり、スカッと晴れた日にフードなしで撮った写真は、何だか紗のかかったような出来栄えでモヤモヤします。

この「HOYA」は反射を防ぐ溝がキッチリ彫ってあります。押さえるべき機能はしっかり押さえ、それでいて価格まで抑えてある。レンズキャップが使えなくなるのが少々玉に瑕ですが、このフードを付けていれば前玉(最前面のレンズ)にキズはつかないでしょう。

つけて損はないレンズフード、迷っているなら買いです。

※「焦点距離35mm以上のレンズに対応」とのただし書きがありますが、自分の環境では焦点距離28mm相当の画角から使えました。メーカーサイトにはサイズごとのフードの最大画角の情報が載っています。広角レンズをお使いの方は購入前の確認をお忘れなく。

HOYA マルチレンズフード | ケンコー・トキナー

(西村おきな)