「有田ポーセリンパーク」は陶器の町に現れたヨーロッパ大宮殿?

「有田ポーセリンパーク」は陶器の町に現れたヨーロッパ大宮殿?

更新日:2018/03/19 18:37

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
日本を代表する陶器の町として名高い佐賀県有田町郊外に、まるでヨーロッパの大宮殿を思わせるような場所があるのをご存知ですか?
それは有田焼とお酒のテーマパーク「有田ポーセリンパーク」。

このパークのシンボルが、ドイツのツヴィンガー宮殿を再現した有田焼のギャラリー。その威風堂々たる姿はコスプレイヤーの聖地として、また最近ではインスタジェニックなスポットとして海外からの観光客にも人気となっています。

有田ポーセリンパークにツヴィンガー宮殿がある理由

有田ポーセリンパークにツヴィンガー宮殿がある理由

提供元:佐賀県観光連盟

https://www.asobo-saga.jp/

「ポーセリン」とは 磁器・磁器製品のこと。有田ポーセリンパークは、日本を代表する磁器の里、有田ならではの陶磁器のテーマパークです。
しかしその陶磁器のテーマパークに、なぜこんなヨーロッパ宮殿があるのでしょうか?

有田ポーセリンパークにツヴィンガー宮殿がある理由

写真:風祭 哲哉

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この宮殿のモデルとなっているのは、ドイツのアウグスト王によって18世紀初頭に建てられた、ドレスデンにあるツヴィンガー宮殿。当時のヨーロッパにおける東洋陶磁器の最大のコレクターであったアウグスト王は、この宮殿の中に膨大な量の東洋陶磁コレクションを保管していたと言われています。

アウグスト王の命によりつくられたヨーロッパの磁器は、有田の古伊万里や柿右衛門様式の絵柄に似たものが多く、今でもそのデザインが受け継がれていることから、ここにそのゆかりの宮殿が再現されているのです。

有田ポーセリンパークにツヴィンガー宮殿がある理由

提供元:佐賀県観光連盟

https://www.asobo-saga.jp/

有田ポーセリンパークのツヴィンガー宮殿には400年におよぶ有田焼の歴史の中でも貴重な作品の数々が展示されています。なかでも1870年代のウィーン万博に出展され、世界中を驚かせた高さ182pの大花瓶は必見!そのほかにも初期有田焼、古伊万里・柿右衛門・鍋島藩窯様式をはじめとする江戸・明治の最盛期までの作品が展示されています。

なお、有田ポーセリンパークへの入場は無料ですが、この展示館のみ有料(大人500円/中高生300円/小学生以下無料)です。

有田ポーセリンパークはコスプレーヤーの聖地&人気のインスタスポット

有田ポーセリンパークはコスプレーヤーの聖地&人気のインスタスポット

写真:風祭 哲哉

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ツヴィンガー宮殿の中央入口を通り抜けると、ヨーロッパの古代庭園を再現した広大なバロック庭園が広がっています。この美しい庭園に季節ごとの鮮やかな花々が咲き乱れると、ここが日本であるとは思えないほどです。

有田ポーセリンパークはコスプレーヤーの聖地&人気のインスタスポット

提供元:佐賀県観光連盟

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このツヴィンガー宮殿やバロック庭園は、その圧倒的な景観や、映画「黒執事」でのロケ地となったことからコスプレイヤーの聖地としても知られ、定期的にコスプレイヤー向けのイベントも行われるほど。
また、最近はインスタジェニックなスポットとしても人気で、日本人のみならず、外国人観光客もたくさん訪れています。

ただしイベント時以外は一般的なスナップ写真を撮影する場合を除き、商業目的、婚礼記念あるいはコスチューム等を着用しての撮影はすべて有料となっていますのでご注意ください。

有田ポーセリンパークでは、陶芸体験や酒蔵めぐりも

有田ポーセリンパークでは、陶芸体験や酒蔵めぐりも

写真:風祭 哲哉

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バロック庭園の東側、小高い丘の傾斜に沿ってあるのが全長約55mの巨大な登り窯。これは約400年前、陶祖、李参平が有田ではじめて磁器を焼いたと言われている天狗谷古窯をもとに再現したもので、年に2回程度、実際に火入れをして焚いています。

有田ポーセリンパークでは、陶芸体験や酒蔵めぐりも

写真:風祭 哲哉

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また、園内には絵付けや手びねり、ろくろによる陶芸が体験できる有田焼工房があります。湯飲みやお皿などからお好きなものを選んで手軽にチャレンジできる絵付け体験のほか、ろくろ体験も専門スタッフがお手伝いしてくれますので、未経験でも大丈夫。ぜひオリジナル有田焼の創作にチャレンジしてみましょう!

有田ポーセリンパークでは、陶芸体験や酒蔵めぐりも

提供元:佐賀県観光連盟

https://www.asobo-saga.jp/

このほか有田ポーセリンパークにはレストランや土産店、有田焼のアウトレットショップである「有田やきもの市場」、高級陶磁器メーカー香蘭社の商品の展示販売などの多くの施設がありますが、現在このパークを経営するのが地元の酒造会社である宗政酒造であることから、ここはお酒のテーマパークでもあります。
そのため隣接する酒蔵の見学(要予約)や試飲、本格焼酎・日本酒・梅酒など、蔵元ならではの豊富なお酒のショッピングが楽しめます。

もちろん陶芸の町ならではの「ありたさんぽ」も

もちろん陶芸の町ならではの「ありたさんぽ」も

写真:風祭 哲哉

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日本の磁器発祥の地として栄えてきた有田は、往時には「有田千軒」とも呼ばれて大変な賑わいをみせた町で、あてもなくブラブラとする「ありたさんぽ」がとても楽しいところ。

その中心は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている有田内山の町並み。江戸後期の白壁土蔵造の建物や、明治から昭和初期にかけて建てられた黒漆喰の建物が並ぶ通りだけでなく、トンバイ塀と呼ばれる有田独特の塀が続く路地の散歩もまた楽しいのです。

もちろん陶芸の町ならではの「ありたさんぽ」も

提供元:佐賀県観光連盟

https://www.asobo-saga.jp/

市街地から少し離れた小高い丘の上にあるのが有田陶磁の里プラザ。ここは 有田焼卸団地とも呼ばれる有田焼のショッピングモールで、23の有田焼店舗が並び、日用食器・贈答品から営業用食器・高級美術陶磁器に至るまで厳選された陶磁器を買い揃えることができます。

もちろん陶芸の町ならではの「ありたさんぽ」も

写真:風祭 哲哉

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そしてなんといっても窯元めぐり。有田では著名な老舗の窯元でも工場見学として、その熟練した職人による優れた技術や丁寧な作業風景を一般に公開しています。こうした窯元をめぐり、お気に入りの作品を探すのも「ありたさんぽ」ならではの魅力ですね。

有田ボーセリンパークの基本情報

住所:佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙340-28
電話番号:0955-41-0030
営業時間:施設により異なりますので関連MEMOをご参照ください
アクセス:JR有田駅より車で7分/西九州自動車道 波佐見・有田ICより車で3分

※2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/12/31 訪問

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