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サッカーW杯、ハリル監督が選手に求めるもの

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 4年に1度の祭典、サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会がいよいよ6月に幕を開ける。6大会連続出場の日本にとって、ここから6カ月は仕上げのとき。「101%だと胸を張れるコンディション、何ものも恐れぬ果敢さを携えてロシアへ乗り込む」。半年後の大勝負へ、ハリルホジッチ監督が記者団に思いの丈を語った。

――W杯まで半年。この最終段階で何が重要になりますか。

「W杯への仕事はすでに始まっています。スタッフとミーティングを重ね、すべてがうまくいくように親善試合もアレンジを進めています。事前合宿を日本で、その後にオーストリアへ移り、W杯前にカザン(ロシア)へ入ります。準備のディテールを詰めています」

――4年前、同じようにアルジェリアを率いてW杯へ臨んだ経験があります。

「それも生かし、細部まで詰めます。練習会場をどこに定め、試合の前後では移動してから練習するのか、練習してから移動するのか。事前合宿でいえば、アルジェリア代表監督のときは初日に選手は1人だけでした。リーグ戦や休暇が終わるタイミングがそれぞれ違いますからね。そういった要素も踏まえていきます」

「W杯マインド」植えつけたい

――デュエル(1対1での攻防)、闘争心の必要性を強調されてきました。この半年、改めて選手に植えつけたいものは。

「"W杯マインド"ですね。W杯とは、何パターンものディテールを準備して臨むべきもの。細かい判断を間違わぬよう、代表監督として考えねばならない」

「W杯で結果を残したいのなら、いま変えねばならないことがあります。たとえばJリーグ所属の選手たち。測定すると、9割の選手が体脂肪率で問題ありとの結果が出ます。うれしくない現実です。海外でプレーする選手にそうした問題はありません。もちろん、みんなW杯でプレーしたいはず。しかしそれに値する状態へ自分を持っていかねばなりません」

「体脂肪率を測るのは、自分の体が戦う準備ができているかを測るためです。より走れる体になり、ケガも減ります。理想では9~10%でいてほしい。それには生活習慣、食生活、トレーニングをケアしなければなりません。日本は野菜も肉も世界最高クラス、素晴らしい。それが"よすぎる"のか、あるいは酒を飲んでしまうのか。あるいは練習のインテンシティー(強度)、質や量が足りないのかもしれません」

「ここからは代表の候補リストを絞っていきます。選手はそこへ残る戦いをしてほしい。やる気がある、と口で言うのは簡単。その意欲はピッチで見せねばなりません。『W杯へ行きたい』という選手がいても、体脂肪率が15%では準備ができていないということです。皆さんの目にいいと映る選手のなかにもそんな状態の選手がいます。真実はピッチの上にあります。現時点でメンバー入りが確約された選手は一人もいません。一人ひとりが自分をベストコンディションにしていく努力をしないといけません」

「常に、日本選手を進化させたいと思っています。たとえばメンタルやコミュニケーション。現代サッカーには不可欠です。E-1選手権の韓国戦では、相手がけんか腰でアグレッシブにきているのに、こちらは応じませんでした。FW川又(磐田)が悪意のあるタックルで倒されました。レッドカードでもおかしくないプレーでした。だから彼を呼んで言ったんです。『やり返すくらいでいけ』と。日本には激しくいけば、おとなしくなって何もできないと見なされては何の得にもならない。チームのための努力、献身、アグレッシブさを最大値にまで高めておかねば」

「W杯では我々より強いチームと戦うことになります。だから規律、戦術を守り、相手より多く走らないといけません。そして果敢に挑む。そうして初めて、勝利の可能性が見えてくる。日本は格下。W杯のレベルまで自分たちを引き上げないと」

――海外組である香川(ドルトムント)や本田(パチューカ)は直近の代表に呼ばれていませんが、コンディションはよさそうです。

「私が満足するレベルではまだありません。もちろん代表の候補であり、試合もチェックしています。代表ではそれぞれの選手に攻撃と守備の役割があり、彼らにもそれを期待しています。4年前とは、彼らの状況は変わっています。以前見せていた高いレベルをいま一度見せてほしい。いまの代表のスタイルのなかで、意欲的に本来のレベルを示すことができるか。そこを見極めたい。(本田)圭佑や(香川)真司についてはメディア側でイメージができているかと思いますが、私はパフォーマンスのみを見ます。今のところ満足のいくパフォーマンスでないので招集しなかっただけ。4年前に好調だったかどうか、4年前の実績は(今回の選考の)条件にはならない。関係ない。本人たちとも話していますし、私の要求は彼らもわかっています」

――1次リーグではコロンビア、セネガル、ポーランドと戦います。勝つ道筋は描けてきましたか?

「まだですね。時間をかけ、じっくり分析して準備したい。あらゆる試合、何十本もビデオ映像をみます。セネガルにしても、かなり強いですよ。身長190センチ近い選手が何人もいて、パワーがあります。3カ国ともそれぞれに特徴が違い、それぞれにストロングポイントとウイークポイントがあります」

改善したいのはピッチ上の姿

――選手のメンタル面を変えていくのは簡単ではなさそうですが。

「日本選手のメンタリティー全てを変えようとは思っていません。人間として素晴らしく、文句のつけようのない選手たちです。でもピッチ上では変わってもらいたい、という部分がいくつかあります。例えばデュエル。そこは体が相手より小さくでも、果敢に挑めるところです。ところが相手をリスペクトしすぎてしまう」

「私は現役時代、ずる賢いプレーをしていました。日本選手は奇麗なプレーで戦おうとして、未熟なプレーにつながることもある。E-1選手権の3試合でも、ペナルティーエリア付近でFKを得ることができなかった。PKが1度だけ。韓国は2つのFKで2ゴールです」

「2010年W杯南アフリカ大会では圭佑と遠藤(保仁、G大阪)の決めたFKで1次リーグを突破しました。あれが日本代表が決めた最後のFKでしょう。私には信じられないことです。私が監督をしてからの約30試合でみても、ペナルティーエリア付近でのFKは2回しかありません。このデータをよそで語ると、信じてもらえないですね。世界中のどんなチームも直接FKで点を取っています。アグレッシブに、ファウルを誘う(ことにもつながる)プレーも必要です」

「つまり、私が改善したいのは選手のピッチ上での姿。コミュニケーションについては私がうるさく言うので声が出始めましたが、まだ十分でない。先日の韓国戦も、身長が2メートル近いFWにクロスで点を取られましたが、声を出していれば誰かがマークにつくこともできたでしょう。それが欠け、失点につながった。『来ているぞ』『気をつけろ』。試合でタッチライン沿いに立っていても、相手選手の声ばかり聞こえるときもありますよ。変えるために、もっと私がアグレッシブに選手へアプローチしたほうがいいかもしれないと考えもしますが……。選手に伝えると『はい、わかりました』と答えるのですがね」

「私も日本にきて3年たちました。これからも言い続けますが、選手自身からも変わりたいというものが生まれてこなければ、競技者としての進化はありません。精神面も、社会性もそう。だけど……ムズカシイですね」

「要求しているのはそれほど複雑なものではありません。ボールを欲しい場面では声を出す、相手が近づいてきているときには教えてあげる、あるいは味方を鼓舞する、勇気づけ合う。日本の教育や文化、伝統も影響しているのかもしれませんね。半年ありますから、期間を長めに取れる3月や直前の合宿で改善していきます。でも大島(川崎)らは先のE-1選手権、以前より多くの声を出すようになりましたよ」

――主将であるMF長谷部(アイントラハト・フランクフルト)が膝痛を抱えるなど、状態が気がかりです。

「選手としても人間としても、チームに重要な存在です。ハセ(長谷部)には他の選手に対する大きな影響力があります。パリの専門家を紹介し、診てもらいました。状態は改善できるという前向きな報告は受けてはいます」

「ハセはピッチ上だけでなく、チームのグループをつくっていくうえでも重要。試合で別の選手を使うことはできても、総合的にみてハセの人間性の代わりになれる選手は見つけづらい。一方、年齢は間もなく34歳。34歳を連戦すべてで起用するのは難しい。そこも考えないと」

「もしも」は常に考えている

「もちろんハセがプレーできなかったら、という事態も想定しています。E-1選手権にMF今野(G大阪)を呼んだのもそういうこと。ただコミュニケーションの面で長谷部と今野は特徴が違いますね。E-1選手権では今野にキャプテンをやってもらおうと思ったのですが、少しプレッシャーに感じるようでした。やらせることもできましたが、強制はできないですね。『もしも』は常に考えています。ただ、ケガ人が少し多すぎます。なぜケガが多くなるのか、私の中で答えは出ていますが、それを明かすと喜ばない人も大勢いますので……」

「私は日本に、新しいものをもたらそうとしてきました。現状を改善できると。しかし日本はこの島国の内側に閉じこもり、中で見えるものだけで満足してしまっている印象も受けます。皆さんも、サッカーで仕事をするなら日本の『外』も見ないといけない。パワー、スピード、欧州は(日本と)違うサッカーをしています」

「『日本選手はテクニックがある』と評されることが多い。ですが、その選手がプレッシャーとスピードの負荷にさらされた状況でも、同じテクニックを発揮できるかどうか。ハイスピード、相手という要素のあるところでも発揮できて、初めてテクニックといえるのです」

「日本代表に何が必要か、何をすれば改善できるのか。これを話し出すと日本の長所や弱点を明かすことになるので、詳しくは言いません。相手に情報を教えることになりますからね。ですから今年は『日本代表は世界一だ』とだけ言うことにしますよ。ともかく、特徴と弱点については、私は把握しています」

「最終予選の始まる前、指導者も記者も『日本はW杯へ出場できる』と語っていました。本当にそうだったのでしょうか? 他の国も成長しています。今回、最終的にいい形で出場権を手にしましたが、この結果と浦和のアジア・チャンピオンズリーグ優勝といったものを、結果だけを見ていてはいけません。準決勝でも決勝でも浦和は格上を下したのです。相手の力がどうだったのかを見なければならない。E-1選手権の韓国戦もそう。開幕戦を見て、韓国はこの大会のベストチームだと私にはすぐわかりました。それも踏まえて私は発言していますが、喜ばない人もいる。毎回、真実だと思ったことを正直に述べているのですが」

「もちろん私も間違えることはあります。でも、間違った批判は受け入れられない。幻想を求めながらの批判はよくない。というのは、日本より力があるチームがいる現実を認めなければいけないからです。暗黙の前提で考える人がいますが、アジアを眺めても、イランも韓国もオーストラリアも力がある。次回の予選、そこはしっかり頭に入れておいてください」

――中村憲(川崎)のようにこれまで代表に招集してこなかった選手を、W杯メンバー23人に滑り込ませる可能性はあるでしょうか。

「彼は素晴らしい2シーズンを過ごしました。ただ37歳、フィジカル的にもギリギリのところにきていると思います。Jリーグだとあまりコンタクトが激しくないのでいいプレーを見せていますが、W杯では(激しい)コンタクトがありますので。非常に能力が高いですが、難しいかな、と。あるいは家長(川崎)。レベルが高く嗅覚のある選手です。でも消えている試合もあります。彼が22歳だったら呼ぶかもしれません。E-1選手権でも選手リストに彼の名は浮かんだのですが」

勇敢さと101%のコンディション

「ロシア大会では、果敢に挑むチームをみせたいと思います。誰かにはたかれたのなら、はたき返すくらいの気持ちで戦う。そこでおとなくなるようではいけない。そんな姿をみたい。体格で劣っても、果敢な姿は見せられる。勇敢さ、勇気をみんなに持ってもらいたい。勇敢に戦って負けたのなら仕方ない。おとなしく縮こまって、負ける姿は見たくない。果敢に戦い、ベストを尽くす。そんな姿を見せてくれたと、みんなが誇りに感じられるチームにしていきたい。それを選手に強く求めます」

「W杯という舞台で何が必要か。まずはメンタル、気持ちです。同時に、101%のフィジカルコンディションが必要。日本選手はボールを持ったとき、そしてボールを持たないときも、相手より多く、速く走らないといけません。それがベース。その土台にメンタルが加われば、何かを成しうる状態になる。(昨年11月の)ブラジル戦後半、(リードした)相手が力を抜いたという見方もありますが、あれは勝てた試合でした。つまり、できうるということです。隠れずこもらず、自分を見せ、『自分たちもできる』との信念で意欲的に挑む。監督である私が取り組んでいくのは、そのための準備なのです」

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