iPhoneの「ヘルスケア」アプリや「アクティビティ」アプリにはその日歩いた歩数をカウントする機能が搭載されていますが、実は使い方や歩き方によって実際の歩数よりも少なくカウントされていることが多いという事実が判明しています。

Smartphone health apps miss some daily activity of users

https://news.ubc.ca/2017/12/06/smartphone-health-apps-miss-some-daily-activity-of-users/

University study shows iPhones can miss 21% of your steps - but half of it is your fault | 9to5Mac

https://9to5mac.com/2017/12/07/iphone-steps/

この事実はカナダのブリティッシュコロンビア大学の研究チームが行った調査で明らかにされたもの。研究では、精度の高い専用の歩数計とiPhoneの歩数計が示すデータがどれほど同じか、または違うのかを検証し、歩き方やiPhoneの使い方によって誤差が生じることが統計的に明らかにされています。研究チームでは、実験に参加した被験者を実際に歩かせ、歩数計とiPhoneがそれぞれ示す歩数の乖離を調査。被験者には、腰に装着するタイプの歩数計とiPhoneの両方を持たせ、トレッドミル上で複数のスピードで歩いてもらっています。

その結果は、以下のムービーにもまとめられています。

How accurate is the iPhone's pedometer at counting steps? - YouTube

研究の結果、最も誤差の少ないケースは時速5kmほどで「速めに歩いた時」で、歩数計とiPhoneが示す数値の誤差は5%以下に収まっていたとのこと。この誤差は、専用の歩数計でも生じるレベルのものであり、事実上の誤差ナシと受け止めて良いレベルです。しかし一方、時速2.5kmぐらいのゆっくりとしたペースで歩いた際には誤差が拡大し、9.4%の開きがあったことが確認されています。



さらに誤差が大きく開いたのが、実際の生活パターンを再現した場合だったとのこと。研究の結果では、実際の歩数よりも21.5%も少ない数値、平均で1日あたり1340歩もの誤差が生じていたことが判明しています。

もう気付いている人もいるかもしれませんが、その原因は「iPhoneをいつも身に付けているわけではない」というもの。ちょっと机を離れてトイレに行ったりコーヒーを淹れに行ったりするときの歩数は意外と多いものですが、これがカウントされないことで実際とは異なる歩数が示されているというわけです。



ただし、この誤差はほぼ間違いなく「少ない方」にズレているという点は安心材料になるかも。実際に歩いてもいない歩数がカウントされるわけではないので、「実際にはもう少し多く歩いているはずだ」と思っておけばまず間違いはなさそう。さらに精密な測定を臨む場合は、実験でも行われたように精度の高い専用の歩数計を身に付けておけばOK。またはApple Watchを併用することも精度を高める上では効果がありそうです。