ソフトバンク、アローラ副社長が退任 社長交代の認識にずれ

ソフトバンクG、アローラ副社長が退任へ 孫社長と時間軸にずれ
 6月21日、ソフトバンクグループは、ニケシュ・アローラ副社長(写真右)が退任すると発表した。左は孫正義社長、都内で2015年11月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 21日 ロイター] - ソフトバンクグループ<9984.T>は21日、ニケシュ・アローラ副社長が退任すると発表した。社長交代時期をめぐり孫正義社長と認識にずれが生じたため、22日の任期満了に伴い退任する。孫社長の後継者選びは振りだしに戻った。
ソフトバンクは退任の理由について、孫社長は当面トップとして指揮を執り続ける意向だったのに対し、アローラ副社長は「数年のうち」にトップに就く意向を示したことから「両者の時間軸のずれを踏まえ、退任することになった」と説明している。
アローラ氏は7月1日付で、同社の顧問に就任する。
孫社長はアローラ氏の顧問就任のリリースで「(当初は)60歳の誕生日に経営を引き継いでもらおうと考えていた」と胸の内を明かす一方で、ソフトバンク2.0やスプリントの再建などに取り組むには「少なくともあと5年から10年は(自身が)社長として率いていく必要がある」とも指摘。「この間ずっとニケシュを、トップになるまで待たせてはいけないと考え、ニケシュと話し合い、顧問の立場で引き続き貢献してもらうことになった」と述べ、あくまで円満退任であることを強調した。
アローラ氏は米グーグル最高事業責任者から2014年9月にソフトバンクに移籍。初年度の報酬が移籍金を含め165億円にのぼったことで話題となった。
ソフトバンクでは、インドのインターネット通販大手スナップディールやタクシー配車アプリのオラなどへの出資を手掛ける一方で、中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングやフィンランドのスマートフォン向けゲーム会社スーパーセルの株売却を進めるなどポートフォリオの見直しも主導。グローバル化への取り組み「ソフトバンク2.0」では海外部門を統括、将来はグループを率いる予定だった。
*内容を追加して再送します。

志田義寧

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