現在、多くのサービスが登場している「格安SIM」は、NTTドコモのネットワークを使ったものが大半で、au系の格安SIMは「mineo」と「UQ mobile」の2つが主流だ。ドコモ系の格安SIMはドコモ端末、au系の格安SIMはau端末にSIMカードを挿せば、SIMロックを解除せずに利用できる(auのVoLTE端末を除く)が、ソフトバンク端末はそうはいかない。
現在、コンシューマー向けのソフトバンク系MVNOサービスは存在しない。特に利用者が多い「iPhone」については、「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」のSIMロック解除が可能になるまでは他キャリアのSIMを利用できず、格安SIMを利用するには、新たに端末を購入する必要があった。
しかし、2016年3月からiPhone 6sとiPhone 6s PlusのSIMロック解除が可能になり、ソフトバンクでもようやく自分の端末で格安SIMを利用できるようになった。“格安SIM難民”だったソフトバンクユーザーが、ようやく自由になれる日が来たのだ。ソフトバンクが日本で販売しているiPhone 6sは「A1688」というモデルで、ドコモやKDDIのLTE/3Gの主要なバンドをカバーしており、ネットワークの仕様は申し分ない。
ソフトバンクでは、対象端末を購入して181日(約半年)が経過すれば、SIMロックの解除が可能になる。筆者は2015年9月下旬にiPhone 6sを購入し、181日が経過した3月下旬からは少し時間がたってしまったが、5月にSIMロック解除をした。
SIMロックの解除は、Webサイト「My SoftBank」かソフトバンクショップで手続きができるが、ショップだと3000円(税別)の手数料がかかるので、無料で行えるMy SoftBankでの手続きをオススメしたい。
My SoftBankで解除する場合、まずはSIMロック解除について説明しているソフトバンクのWebサイトにアクセスしよう。ここで「ログインする」をクリックしてログインすると、「SIMロック解除手続き」のページに移る。ここの画面下に「製造番号(IMEI番号)の入力」があるので、この番号を入力しよう。「設定」→「一般」→「情報」→「IMEI」に記載されている、15桁の番号を入力すればよい。
「次へ」と進み、機種名を確認して間違いなければ、「解除手続きをする」をクリック。これで手続きは完了……だが、SIMロックの解除自体は終了していないので注意したい。
「SIMロック解除方法をみる」をクリックすると、「iPhoneのロックを解除して別の通信事業者でも使えるようにする方法」という、AppleのWebページへ切り替わる。ここの「iPhoneのロックを解除する」の「2.」に「通信事業者にロック解除を申請してから、手続きが終わるまでに数日かかる場合があります」と書かれてあって「え、そうなの?」と思ったが、ここでは気にしなくてよい。
重要なのは、その次に書かれてある「1.お使いのSIMカードを取り出し、新しいSIMカードを挿入します」「2.設定プロセスを完了します」の2ステップ。
Androidの場合は端末側でSIMロックを解除する操作が必要になるが、iPhoneの場合、新しいSIMカードを挿入してアクティベートをするだけで、ロックが解除されて新しいSIMで通信が可能になる。上記の2ステップはこの操作を指している。MVNOが提供するSIMカードの場合、あらかじめAPN構成プロファイルをインストールしておく必要があるので、新しいSIMカードを入れる前に作業しておこう。
筆者は「U-mobile」のSIMカードを新たに使おうと思っていたので、こちらのプロファイルをU-NEXTのWebサイトからインストールした。iPhoneの電源をオフにしたらソフトバンクのSIMカードを抜き、U-mobileのSIMカードを入れて電源をオンにしたら、「アクティベーションが必要です」との表示が出た。この時点でピクトアイコンには「圏外」と表示されていたが、Apple IDを入力してアクティベーションが完了したら、「docomo LTE」の表示に変わった。
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