未解決でも凶悪事件でも転売可?”事故物件”が取引されるウラ事情 (1/2ページ)

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未解決でも転売可?凄惨な”事件物件”が取引されるウラ事情
未解決でも転売可?凄惨な”事件物件”が取引されるウラ事情

 千葉市が、某区のとある豪邸をヤフオクで出品して話題になった。値段は約760万円~と、非常に安い。築23年と新しくはないが、十分住める状態だという。場所は土気駅まで徒歩30分。実際に足を運んでみたが、とても住みやすそうな閑静な住宅街だった。周りの家も立派だったが、その中でもこの物件は際立って、豪華な建物だった。

■事故物件が”再生”される仕組みとは?

 なぜ安いのか、それには分かりやすい理由があった。2014年の1月、住人の男性が、何者かに胸を刺されて死亡しているのだ。つまり、事故物件だったのだ。

 事故物件がこのような形で処理されることはあるのだろうか? 事故物件サイトでおなじみの、大島てるさんにお話をお聞きした。

事故物件サイトを運営する大島てる氏

「豪邸が事故物件になった場合、遺族は物件を処理するのに苦労します。そもそも豪邸を買う人は、お金持ちなので、値下げをしても、アパートを値下げするほどの効果は出づらいです。高い買い物ですから『事故物件ならいらない』と思われたら、いくら値段を下げてもスルーされます。また高過ぎると、そもそも買える人が限られます。そこで、告知義務をあやふやにするためと、買える人を増やすための、2つの意味から、敷地を細かく分割して販売することがあります」

 たとえば似たようなケースでは、板橋区の大豪邸の事故物件で、持ち主は相続税の物納をした。その後、物件は不動産業者を転々とし、最終的には分譲して販売された。今は真新しい、建売住宅が並んでいる。

板橋区の大豪邸の事故物件は不動産業者によって分譲され、現在では建売住宅が建っている

 今回は、結果的にオークションで不動産業者が約1111万円で落札した。板橋区のケースと同じように、不動産業者によって分譲されるかと言われていたが、今のところ業者は、セミナーハウスや宿泊所として貸し出したいという。セミナーハウスや宿泊所は「告知義務」が課せられないとされているので、ユーザーにウソをつかずにお金を得ることができる。ただ、気づいたユーザーにクレームを言われる可能性は高い。

 板橋のケースでは、土地がとても広かったため、実際に人が亡くなった場所は含まれていない物件がほとんどだ。人が亡くなった建物を取り壊してしまい、基礎工事からやり直したならば、たとえ事故物件だったとしても関係ないと思う人もいるかもしれない。僕も、建物さえ新しいなら、住むのに抵抗はない。

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