関西の議論

「ご飯のクオリティ酷い」「私たちは動物ではない」不法在留外国人、国費負担の収容生活「改善」求めハンスト

大阪入国管理局で出国までの収容生活を送る不法在留外国人らが食事など収容生活の改善を求め、ハンガーストライキを実施した。入管側に提出した要望書には「毎回インスタントのおかずばっかりで…」などと不満がつづられている
大阪入国管理局で出国までの収容生活を送る不法在留外国人らが食事など収容生活の改善を求め、ハンガーストライキを実施した。入管側に提出した要望書には「毎回インスタントのおかずばっかりで…」などと不満がつづられている

 「私たちは動物ではありません、人間です」。不法在留で国外退去を命じられ、大阪入国管理局で出国までの収容生活を送る外国人が2月、ハンガーストライキに打って出た。提供される食事や医療面の待遇が劣悪だ、と不満を爆発させたのだ。それぞれの理由で日本に残りたいと願う彼らは、帰国を強いる入管に「人権侵害だ」と反発を強め、「私たちの命にもっと強い責任をもってほしい」と訴えている。入管によると、不法在留外国人は6万人を超える。当然のことながら、収容施設の運営には国費が投じられている。処遇はどうあるべきなのか。

入管職員の発言が引き金に?

 大阪入管によると、大阪市住之江区の施設で2月10日の朝食から、外国人収容者49人がハンストを開始した。徐々に脱落者が出る中、15日の朝食まで抗議は続いた。

 外国人収容者らを支援する「仮放免者の会」などによると発端は1月19日、入管側との話し合いでの、職員のある発言が引き金となった。

 今年に入って、収容者25人は生活面の処遇改善を求める12項目の要望書を入管に提出していた。その回答を2週間以内にもらえるかどうかを問いただすため、収容者代表のガーナ人とイラン人がその日、職員と面会した。

 支援団体の聞き取りによると、そこで職員は「あなたがたには(国外退去を命じる)『退去強制令書』が出ている。国に帰らなければならないのだから、要求する権利はない」と突き放したという。

 この発言に、外国人らは「基本的人権を否定された」と猛反発。大阪入管内の別の区域に収容されていた外国人らも同様の要望書を1月22日に出し、2月のハンストに至ったというわけだ。

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