新データセンターを「海に沈める」? マイクロソフトが新たな試み(動画あり)

 データセンターを効率的に冷却するため、海中に設置するマイクロソフトのプロジェクト「Natick」を紹介。人口密集地の近くに90日以内で迅速に設置できるという利点もある。

データセンター運営の最大のコストのひとつは冷却だ。これまでのデータセンターでは、IT機器の稼働に使われるのと同じくらいの電気が冷却に使われる。

水は空気よりも比熱が高いことから、コンピューターの間を走らせて熱を外に運び出す冷却剤として人気がある。

マイクロソフト・リサーチは、水をデータセンターの周囲に送り込むのではなく、データセンター自体を水に沈めるという新しい手法を実験している。「Project Natick」は、海中に沈めるデータセンターを開発・稼働させる研究プロジェクトだ。

マイクロソフト・リサーチは、実験コンテナ「Leona Philpot」を製造し、カリフォルニア州の沖合およそ1kmの海底に設置した。Leona Philpotは、2015年8月から11月までの稼働に成功した。

マイクロソフト・リサーチによると、世界の人口の半分近くは、海から200kmの範囲内で暮らしている。そのため、データセンターを沿岸の海底に設置できれば、主要な人口集中地の近くにデータセンターを置けるということになる。

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