そんなに厚い本ではないがなかみはとても充実している。
関数的な書きかたをするとバージョン1は非常にシンプルに書ける。
しかし、場合によっては実行効率が悪いことがある。
そんなときには実行効率の最適化が必要になる。
実行効率を最適化するときにその最適化が「ただしい」ことをどうやって知ることができるだろうか。
まえのバージョンと正確におなじ動作をすることをたしかめながら最適化していきたい。
それがこの本のめざしているところだ。
シンプルで「ただしい」ことが自明なコードの「意味をかえずに」複雑だけど実行効率の良いコードにおきかえていく。
それを運算とよぶらしい。
この本ではきちんと数学的に「等値」であることを証明しながら最適化する手法を数多くの例題とともに示している。
もちろんこの本で紹介されているアルゴリズム自体も「つかえる」アルゴリズムだ。
しかし、それ以上にこの本の価値はこの「運算」という手法を身につけて自分でもつかえるようにするところにある。
「関数プログラミングって実行効率を最適化しにくいのが問題なのよね」と彼女に言われたときには、だまってこの本をわたそう。
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