何かが起こりそうな予感。
今週9月9日(現地時間)、シリコンバレーの中心地、クパチーノ(アップル本社所在地)にある大学の講堂フリント・センターで行われたアップル社の新作発表会に行ってきました。ファッション以外の発表会というものには普段あまり縁がない私にとって、目に入るものすべてが新鮮に映りました。CEOのティム・クック氏の基調講演開始時間は午前10時だったのですが、宿泊先のサンフランシスコのホテルからシリコンバレーへの通勤ラッシュを見越して、出発は7時。無事着いたのは8時過ぎでしたが、会場はすでに人で一杯。ビュッフェスタイルのヘルシーな朝食をいただきながら、おしゃスナならぬオタクスナップに思わず夢中に……。あたりをよく見るとTV中継車の前で中継を行うレポーター、上空にはヘリコプターと、いかにも何か起こりそうな雰囲気にすっかり呑まれそうになりました。
株価に影響がでる発表会。
アップル社の方針で新作発表という情報以外は何の情報も提供されない発表会ですが、今回その発表会にファッションメディアが招待されたということで、株式市場ではアップル社からファッション関連アイテムが発表され、他の銘柄の株価に影響がでるのではという憶測がニュースで流れるほど、アップル社の新作発表会の株式への影響力は絶大。そもそもこの発表会が西海岸時間の朝10時~12時に行われるのも、ニューヨークの株式市場が閉まる前に講演を終了させるためだそう。きっとアップル社の人たちは、自分たちが世界を動かしているという実感があるに違いないと思うと、何だか私までワクワクしました。
そして、いざ講演が始まると、舞台に現れたティム・クック氏はデニムにスニーカーという噂のシリコンバレースタイル! 同通のヘッドホンをしているとはいえ、アップル社のことをまったく知らない人にとってもよくわかる講演は、さすがプレゼンテーションの教科書にでるといわれているほどの素晴らしさ。感動せずにはいられませんでした。
待望のiPhone 6、iPhone 6 plus。
ティム・クック氏の講演は、30年前、故スティーブ・ジョブズ氏が同会場で初めて発表したマッキントッシュコンピュータの話から始まり、歴代iPhone、そして、iPhone 6とiPhone 6 plusがようやく紹介。iPhone 5より薄く、大きく、軽くなったこと、カメラの感度がさらに上がったことで写真がきれいになり(デジカメが過去のものになるとまで言ってしまう!!)、特にブレ防止機能や自撮り(セルフィー)がしやすくなったこと、さらにはお財布が不必要になるというクレジットカードやショッピングカードなどで決済できるpayアプリの発表など、IT素人のわたしでも理解可能な新情報が次々と発表されていく。ちなみにこの iPhone 6とiPhone 6 plusは 9月19日(金)に全世界同時発売予定。
噂のApple Watch。
そして、ついに私たちが招待された理由が明らかになった。噂通り(どうやら間近になるとアップル社が効果的に情報をリークしているそう)ファッショナブルなアイテム、Apple Watchが発表されたのです! これはiPhoneと併用するものですが、このウォッチには自分の健康管理が可能なアクティヴィティとワークアウトという名のアプリも付いていて、着けているだけで歩いた距離やカロリー消費、そして自分の脈拍なども記録してくれる機能も搭載されている。デザインはApple Watch、Apple Watch Sport、Apple Watch Editionの3種類。フェイスの大きさは2種類。バンド素材はレザー、ステンレス、プラスチックとあり、とくにプラスチックは色も豊富に揃っている。バンド部分は簡単に交換可能。印象は高級ファッションガジェット。こちらの発売は2015年早々の予定だそう。
大勢のOTAKUに感動。
講演が終わると、実際に商品に触らせてくれて、アップルの人に質問ができる、隣接する白いボックス型の建物へ移動。ランニングマシーンの上でアスリートが実際に走り、上がった脈拍を見せてくれるデモンストレーションなども行われていた。わたしもiPhone 6とiPhone 6 plusを持ってみたり、Apple Watchを着けてみたりした。
そして、そこでも私がとっても気になったのは望遠機能付きカメラを手に、まるでアイドルを追いかけるようにiPhone 6、iPhone 6 plusやApple Watchの写真を撮るいわゆるオタクと呼ばれる人々の姿。外国人なのにその姿勢からまるで日本人のように見え、オタクという言葉が万国共通語になった理由がちょっとだけわかった気がした、実に収穫の多い発表会でした。
Saori Masuda