Cisco Systemsはスペインのバルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2016」で現地時間2月22日、「Cisco Ultra Services Platform」というプラットフォームを正式に発表した。このプラットフォームを使用することで、携帯電話事業者はネットワークに対する要求やネットワークの管理とともに、サービスのプロビジョニングが容易になるという。
当地で22日から25日まで開催されている同イベントでは、ネットワークインフラのベンダーらが携帯電話事業者に向けたさまざまなサービスを発表している。Ciscoは2015年11月に、Ericssonと販売や技術に関する包括的な提携を進めていく計画を明らかにしていた。その一方で、Alcatel-LucentやHuawei(ファーウェイ)、Juniper Networks、Nokiaは地域や顧客といった観点でさまざまな取り組みを行っている。
要するに、これらネットワークインフラのベンダーは、さまざまなインフラやソフトウェア管理サービスを有している。また、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)やネットワーク機能の仮想化(NFV)によって、フットワークがより軽快になるとともに、収益の向上を目指せるようになる。
企業にとってこの状況は注視しておく価値がある。というのも、ベンダーらがひしめき合うなかで、NFVのようなネットワーク技術やアプローチの多くがふるいにかけられるためだ。ベンダーらは異機種環境を統合するという頭の痛い問題とともに、レガシーインフラという究極の難問を抱えている。
Ciscoの製品マーケティング責任者であるDavid Yates氏は、大手携帯電話事業者向けのUltra Services Platformが、ネットワークポリシーやセキュリティ、ファイアウォールといったさまざまな機能を、単一の管理コアに統合する手法について概説した。管理とサービス創出を集約することで、携帯電話事業者はパケットとその増加をよりうまく管理できるようになる。
向こう5年間でネットワークに対する要求は大きく増加するものの、Over the Top(OTT)アプリが繁栄する結果、携帯電話事業者の利益は概ね横ばいになる。携帯電話事業者は何らかの目玉商品を考え出してコンシューマーにアピールする必要に迫られるだろう。
Ultra Services Platformは同日付けで一般提供が開始されているが、同社は顧客として複数の社名も公表した。また、同社はEricssonとの提携の成果についても概説した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。