現状をより良くするために人を批判するとき、相手が防御本能のとても強い人だと、バトルになるのを恐れてつい二の足を踏んでしまいがちです。こういう人に対してどうしても話さなければならない事柄がある場合は、メッセージを明確にし、伝え方に気を配ることが何よりも大切です。

防御本能が強い人は、自分の思いどおりに進まない会話のすべてを、気まずい言い争いにしてしまいます。ビジネス情報誌「Harvard Business Review」(以下、HBR)のHolly Weeks氏は、こうした人にきちんと話を聞かせたい場合は、以下に挙げる、3つの具体的なポイントに注意するようすすめています。

  1. 内容を明確に:適切な言葉を選び、ニュースキャスターになったつもりで、1番必要な情報を明確に伝えてください。
  2. 中立的なトーンを守る:話の内容から、あなたの感情を排除してください。NASAの交信記録に残る、「ヒューストン、問題が発生した」(アポロ13号で深刻なトラブルが発生した際、宇宙飛行士が地上に伝えた有名な言葉)の冷静な口調を思い出しましょう。
  3. 言葉遣いは穏やかに:相手が怒ったり、話を否定したくなったりするような言葉や、誘導尋問のような言い回しを使ってはいけません。

Weeks氏の解説によれば、上に挙げた3つの戦術は、全部をセットで用いる必要があります。いくら伝えるメッセージを明確にしても、感情に任せて理性を失ってしまったら、相手は怒りを覚え、さらに身構える恐れがあります。あるいは、はっきりしたメッセージを感情抜きで伝えたとしても、挑発するような言葉遣いだと、相手はあなたの言うことに耳を貸さなくなってしまうかもしれません。

そもそも、 嫌なヤツという印象を与えずに意見するだけでもかなり大変なことですし、相手が防御本能の強い人ならなおさらです。でも、正しいアプローチをとれば不可能ではありません。

Patrick Allan(原文/訳:長谷 睦/ガリレオ)

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