4人のGoogle社員にSEOについてなんでも聞いてみた at #GoogleDanceTokyo

[レベル: 初・中・上級]

スイスGoogleのGary Illyes(ゲイリー・イェーシュ)氏が訪日しているのに合わせて、Google Dance Tokyoというイベントが、Google東京オフィスで5月25日に開催されました。

この記事では、このイベントで行われたQ&Aセッションの内容を紹介します。

僕たちウェブマスターからのSEOに関するさまざま質問に4人のGoogle社員が本音で答えてくれました。

質問に答えてくれるGoogle社員たち
左から、オオクラさん・徳生さん・ゲイリー・長山さん

Google社員との SEO Q&A まとめ

Q. 検索結果のランキングにおいて今後Googleが重視していこうと考えていることは何か?

A. まず品質評価ガイドラインを見ることから始めてほしい。これを読めば、Googleが何を重視しているかがわかるし、ユーザーが何を探しているかがわかる。基本的にはコンテンツの質を見ている。

最も適切な結果を検索ユーザーに返すことがGoogleの目的。これは昔も今も変わらない。

Q. Rankbrainは3番目に重要なシグナルだそうだが、1番目と2番目は何?

A. 関連性がいちばん大事。どの観点から見るかによって何が重要かは変わってくる。したがって、何が1番目とか2番目とかは問題ではない。

Q. AMP対応はSEOにどのくらい影響するか?

A. ユーザーにとってスピードは大事。スピードはますます重要になっている。スマホユーザーには、ページが表示されるのを待っている時間はない。AMPはタップした瞬間に表示される。

Google検索では今のところは、ニュースとレシピでAMPをサポートしている。これ以外のジャンルならAMP対応を急がなくていいかもしれない。しかし将来的には対象をもっと拡大するつもり。

AMPは誰でも使えるオープンソース、GoogleだけのものじゃないしSEOだけに限った話ではない。

Q. AMPは、5年後、10年後も存続すると思うか? 今に状況においての仕組みであって、中長期的に見たら使われなくなるのではないか?

A. スピードはいつでも重要だと思う。AMPは遅い状況を解決できる手段。よって5年後でも重要だと思う。10年後はわからないけど。

Googleがこう考えているからという話ではないんじゃないか。AMPはオープンソースだからGoogleだけの問題ではない。パフォーマンスの観点で考えたら大切。

Q. どのようにしてSEOを施策していけばいいか?

A. ウェブマスター向けガイドラインをまず見ること。何がベストプラクティスか、何がベストプラクティスじゃないのかを説明している。

たとえばクローキングのようにガイドラインに違反するものは、手動で対策する。順位を下げたり、検索結果に出ないようにしたりする。

Q. Ajaxのコンテンツは、静的なHTMLコンテンツよりも評価されづらいのか?

A. GooglebotがAjaxコンテンツを認識できるのであれば、Ajaxか静的かは関係ない。

今は認識するページはすべてレンダリングする。昔はそうではなかった。ユーザーが実際に見ているものを認識して(レンダリングして)評価できるように努力している。今は、ほぼすべてをレンダリングできている。なので、基本的には、Ajaxも静的コンテンツと同等に評価する。

ただし次のような注意点がある。

  • JavaScriptをrobots.txtでブロックしない
  • きちんとレンダリングされているかどうかを、Search ConsoleのFetch as Googleレンダリングで検証する
  • マウスを動かすような(ユーザーのアクションによって)動的に生成されるコンテンツはだめ。最初から見えていることが重要。[鈴木補足: こちらの記事を参照]
  • 一意のURLが必要。たとえばURLが変わらない無限スクロールは、Googlebotはスクロールしないからすべてのコンテンツを見ることができない

Q. 低品質なアフィリエイトサイトから大量に被リンクが張られている。外すことができない。このままだと悪影響が出るか?

A. そもそも、どうしてこんな状況になっているのかが問題のように思う。

基本的に、こういう低品質なリンクは無視してかまわない。スパムリンクは、Google側で無視してPageRankの計算に入れないようにしている。それでも心配ならリンクの否認ツールを使うことができる。

この質問は個人サイトと思われるが、企業サイトの場合は、以前の担当者が(不正なリンク集めを)やっていたケースが多い。勝手に張られたわけではなく、自分たちに原因がある。
また、外せないといっても、実際には外そうとする努力をしていないこともある。不自然なリンクはとにかく削除することが大前提になる。

Q. スクレイパーにコンテンツをソースコードで丸パクリされて、もともとは内部リンクだったリンクが外部リンクになってしまっている。結果として、不自然な被リンクが大量に付いている。これはどうすればいいのか?

A. スクレイパーサイトからのリンクも無視できる。スクレイパーサイトからの怪しいリンクが原因で手動対策を受けることは基本的にない。スパムレポートを送ってもらえると助かる。

Q. 無料ブログから独自ドメイン名への移転を準備している。しかしリダイレクトが使えない。ガイドラインに違反することなく、評価を引き継いで移転するにはどうしたらいいか?

A. サイト移転には、リダイレクトを使うのが原則。リダイレクトを使えないならrel=”canonical”を使う。JavaScriptリダイレクトでもmeta refreshリダイレクトでも、とにかくなんらかの手段でGoogleにURLが変わったというシグナルを送ったほうがいい。

リダイレクトが使えない状況で、移転元サイトから移転先サイトへコンテンツをインポート・エクスポートしても、それが理由でペナルティになることはないからやっていい。

2つのページのコンテンツがまったく同じ場合、リダイレクトやrel=”canonical”なしでもGoogle側で正規化することがあるが、ウェブマスター側からこうした処理を促進させることはできない。リダイレクトかrel=”canonical”をやはり使ってほしい。

Q. Googleによるtitleタグの書き換えを防ぐ方法はあるか? 書き換えの拒否をSearch Consoleでリクエストできるようになると助かる。

A. タイトル書き換えをなくすことはない。ウェブには本当にひどいtitleタグのページが多い。titleタグがないとか、titleタグが「トップページ」のサイトが非常に多い。

ほとんどのタイトルをGoogleは実際に書き換えている。書き換えないと役に立つ検索結果にならない。実験から、書き換えたタイトルの方をユーザーは好むことがわかった。こうしたことからも、titleタグの書き換えを続ける。

もし書き換え拒否できるようにしたら悪用が増えることが予想される。たとえば、キーワードの詰め込みができてしまう。

書き換えがうまくいっていない場合はフィードバックしてほしい。検索結果ページの下にリンクがある。

Q. (金谷さんがまとめることを断念した、三澤さんからの超絶に冗長な質問。結局要約すると、)SEOよりも広告に予算を割いたほうがいいような気がしているのだが、Googleとしては、検索と広告のどちらを重視しているのか?

長い質問

A. まず知っておいてほしいが、検索と広告の部門は完全に分離している。どちらが上ということはない。広告の表示に変更があったことを後から知ることもある。検索は広告のことを気にせず開発を進める。ただ、広告は検索のこと気にしてるようだ。

自分たちは、検索の人間なので、(広告よりも)検索のほうが大切だと考える。Googleにとって、やっぱり検索は重要。検索を犠牲にして、広告を優先することはない。

SEOか?広告か?など、どこにコストとリソースをかけるかは会社の方針にもよるはず。どのように配分するかは、それこそ担当者の腕の見せ所では?(つまり、Googleがアドバイスすることではない。)

以上です。

記事では読みやすくするためにポイントを絞ってまとめましたが、会場は、驚きあり、笑いありで非常に盛り上がりました。
参加者はきっと全員、興奮・満足したはずです。

今回のGoogle Dance Tokyoはゲイリーの来日記念ということでの特別開催でしたが、何かの機にまた催してほしいものです。