【11月3日 AFP】ドイツの製薬会社アラメディクス(Alamedics)の医薬品を使用した患者13人が片目を失明したとするスペイン当局の発表を受け、同社は2日、製品に問題はないと反論する声明を発表した。同社の同じ製品は、フランスでも医療事故との関連が指摘されている。

 問題となっているのは、アラメディクスが製造した眼科手術用の医薬品アラ・オクタ(Ala Octa)で、スペイン、フランス両政府によって回収(リコール)されている。

 しかしアラメディクス側は、スペインで使用された分に関する一連の臨床試験では「薬剤汚染やその他の異常は全く見つからなかった」と述べ、また「汚染があれば本医薬品が原因である疑いも当初はあったが、今度は(原因究明の)調査を各病院で行うべきだ」と主張した。

 スペインの医薬品医療機器庁(AEMPS)は先月31日、同国保健省が6月にリコールしたアラ・オクタが使われた手術で13人が片目を失明、28人が目に損傷を受け、これら計41人に関してフランスに近いバスク(Basque)地方を中心に11か所の医療機関から報告を受けていると発表した。

 フランスもすでに同じ医薬品のリコールを発表している。同国の医薬品・保健製品安全庁(ANSM)は2日、フランス人の患者2人が同医薬品の使用後に片目を失明したことを明らかにした。仏政府は7月後半に同医薬品の回収を決定しているが、ANSM医療機器部門の担当者は、現時点では同医薬品が原因だという直接的な証拠はないと述べている。(c)AFP