【10月19日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーは、中国で姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)2世を発掘するためには、成り行き任せではいけないと考えている。

 ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)の元ビッグマンは、中国にNBAブームを巻き起こし競技人口を増やすと、同国出身選手の可能性を見出した。

 中国で行われたプレシーズンゲームでは、シャーロット・ホーネッツ(Charlotte Hornets)に所属する台湾系米国人のジェレミー・リン(Jeremy Lin)が注目の的となり、シルバーコミッショナーも、NBAが中国人選手の育成に尽力していると話している。

 上海(Shanghai)でAFPのインタビューに応じたシルバーコミッショナーは、「妖精の粉が降り注ぐのを待っていてはダメだ」とすると、「(才能というのは)NBAでプレーする多くの選手が幼少期から接しているような、組織化、構造化されたプログラムから生まれるものだ」と続けた。

 中国において、テレビとモバイル端末で圧倒的な視聴者数を誇るNBAは、中国プロバスケットボールリーグ(CBA)をはじめとする当局と緊密な関係を築いている。

 NBAは先日、香港(Hong Kong)にほど近い東莞(Dongguan)市にあるCBA東莞バスケットボールスクール(CBA Dongguan Basketball School)と、6年間の契約延長に合意したことを発表した。同施設は、12歳~17歳の選手たちを発掘する目的で運営されており、2011年から8000人以上がトレーニングを受けている。

 デリック・ローズ(Derrick Rose)やジョン・ウォール(John Wall)などのNBA選手、コーチ、トレーナーらが続々と訪問している東莞市のスクールについて、シルバーコミッショナーは「新たなプログラムを作る上での青写真になっている」と評し、「中国には身体的に恵まれた選手がたくさんいる」と述べている。

「問題は、素晴らしい選手を育成する上で必要不可欠になるレベルの高い指導、コーチングを受け、それに見合った試合ができるかということだ」