トイレの使用状況がスマホでわかるアプリが話題となっている。リクルートライフスタイルの社員らによって開発された。
アプリは現在のところ彼らが勤務するビルのワンフロアのみに対応している。同フロアは4つの男子トイレ個室に対して、約300人の男性社員が使用する。そのため、すべて満室ということも珍しくない。そこで“必要に迫られて”アプリ開発が行われたという。

ドアの開閉状況をセンサーで感知


トイレの使用状況は、センサーで感知された扉の開閉状態をもとに判断され、滞在時間まで表示されるすぐれものだ。今後は個室が空いたら通知されるプッシュ機能などを追加する予定であるという。
便利なアプリである。なぜ今までなかったのかと思ってしまう。使用状況の把握は、ドアの開閉状況をセンサーで感知しているわけで、プライバシーの点からも大きな問題はない。ただ、滞在時間は少々プライベートな領域かもしれない。

アプリではないものの、お隣の台湾にはトイレの使用状況が一目でわかる便利な機能が存在する。台北市内を走る地下鉄の公衆トイレにボードとして設置されているもので、入口で使用状況が確認できる。

トイレの使用状況がスマホでわかるアプリ

「使用中」は赤、「無人使用」は緑で表示。記号で和式か洋式かもわかる。まるで、高速道路のサービスエリアの渋滞情報のようだ。トイレ内で緊急事態が起きた際の「緊急救助」アラートも光るようになっており、トイレ内の状況が瞬時に把握できる。

台北地下鉄の便利さはトイレばかりでなく、時刻表示にも現れている。日本の地下鉄の場合、1分単位の表示となっているが、台湾は5秒単位で更新される。
なかなか列車が来なくていらだつこともない。台湾の地下鉄の利便性は日本よりは高そうだ。

さて、このトイレ使用状況アプリ、オフィスだけでなく他の空間にも応用できないだろうか。駅やデパートなどの外のトイレで“オール満室”あるいは“清掃中”に絶望した経験は誰しもあるだろう。すべてのトイレに共通のアプリではなくとも、JR、地下鉄、私鉄など鉄道会社ごとのトイレに対応したアプリ開発ならそれほど難しくないのではないか。トイレ使用状況アプリのさらなる発展を願いたい。

(下地直輝)