【5月30日 AFP】29日に行われた国際サッカー連盟(FIFA)会長選挙の結果、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が5選を果たしたことを受け、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長は、FIFAには変革が必要だとの見解を示した。

 1回目の投票の結果、ブラッター会長は当選に必要な140票に7票足りず、2回目の投票が予定されていたが、直前に対立候補のアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子が辞退したことにより、ブラッター会長の再選が決まった。

 FIFAの巨額汚職スキャンダルを受け、プラティニ会長はブラッター会長に辞任を要求していたが、1998年から現職に就いている79歳のブラッター会長はこれを拒否していた。

 27日にチューリヒ(Zurich)でFIFA幹部7名が汚職の疑いで逮捕されているが、プラティニ会長は一層の改革が不可欠であるとの見解を示した。

 会長選挙ではアリ王子を支援したプラティニ会長は、「私はUEFAがFIFAの改革の動きを擁護し、サポートし続けたことを誇りに思う。この組織が信頼を回復するためには、改革が不可欠だというのが私の意見だ。友であるアリ王子の見事な選挙活動を祝福する。そして、これを機に彼をサポートした各国の協会に感謝したい」と語っている。

 同様にアリ王子を支援していたドイツサッカー連盟(DFB)のボルフガング・ニールスバッハ(Wolfgang Niersbach)会長は、欧州のトップはFIFAにおけるリーダーシップの変更を望んでいたことを明かしている。

「UEFA内部では、アリ王子にチャンスがあるとの印象が大勢を占めていた」

 また、イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・ダイク(Greg Dyke)会長は、ブラッター会長がアリ王子の挑戦に脅威を感じていたことを明かした。

「ブラッター会長は今日の結果にショックを受けている。このようなことは16年間起きなかった。3分の1がブラッター会長の続投を望まなかった。彼らは『あなたにはもうたくさんだ。不正はこりごりだ』と伝えたのだ。FIFAは腐りきった組織であり、これを変える人物はゼップ・ブラッターではない。抜本的な改革が必要とされている。アリ王子は大健闘した。これが終わりではないと思う。まだ道半ばだ」

(c)AFP