【12月20日 AFP】英国で児童に対する性的虐待で訴追されながらも、重度の認知症を理由に審問に耐えられないと判断された元労働党議員のグレビル・ジャナー(Greville Janner)卿が19日、自宅で死去した。87歳だった。家族が明らかにした。

 ジャナー卿は認知症の症状が重いため、罪状認否に耐えられないと今月初め、判事が判断。その結果、公訴事実があったかどうかを陪審が認定する、いわゆる「事実審理」が4月に設定されたが、同卿の死亡により、もはや審理が行われることはない見通しとなった。

「これは私の依頼人にとって、衝撃的なニュースだ」と、ジャナー卿の犠牲者とされる6人を代表するリズ・ドゥクス(Liz Dux)弁護士は話したうえで、「6人は事件が法廷で裁かれるのを長い間待っていた。最後のハードルで、裁判が行われなくなったことは、非常に腹立たしい」「さらに最悪なのは、彼(ジャナー卿)が健在であるうちに事件を裁判にかける多くの機会が失われていたことだ」と語った。(c)AFP