【8月20日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は、イラクのニナワ(Nineveh)州と州都モスル(Mosul)を掌握する以前に、同州で「組織犯罪」を行い、1か月あたり1100万ドル(約14億円)を稼いでいたことが、AFPが入手したイラク議会の未公表の報告書で明らかになった。

 報告書は、モスル陥落に至った失敗についての議会による調査の中で作成されたもの。報告書によると、モスルが昨年6月10日にISの支配下に入る前の時点から、ISの構成員は「組織犯罪を行うマフィア」のように行動し、「(ニナワ)州の経済資源の全て」を管理下に置いていたという。

 ISの構成員らは「資金をかき集めるための専門のシステム」を構築しており、さまざまな社会集団のそれぞれに「特定のレート」を課すことなどを通じて、恐喝に成功していた。

 報告書のニナワ州当局者の証言によると、ISはこのシステムを通じて1か月あたり500万ドル(約6億円)を集めていたが、モスル制圧のしばらく前には2倍以上の1100万ドルを調達するようになったという。ISの資金調達がいつから始まっていたのかについては、報告書は明らかにしていない。

 報告書は、イラク当局の支配権がまだ存在していた時期からISがこのような手段で資金を調達できたという事実は、ニナワ州の治安部隊の「失敗を示す最も顕著に示すものだ」としている。(c)AFP