【1月25日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は24日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が人質に取っていた日本人2人のうち湯川遥菜(Haruna Yukawa)さんが殺害されたという内容の画像が公開されたことを受けて声明を発表した。

 声明の中でオバマ大統領は「米国はテロリストグループによる日本人、湯川さんの残忍な殺害を強く非難する」と述べた。日本政府は画像の真偽についてまだ確認を進めているが、オバマ氏の声明は欧米の情報当局が画像を本物だと確認していることを示唆するものだ。一方のデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相も24日、イスラム国の「残忍な野蛮さ」を非難する同様の声明を発表した。

 投稿された画像には、湯川さんのものとみられる遺体の写真を手にしたもう1人の人質である後藤健二(Kenji Goto)さんの静止画に、拘束されている仲間の釈放と引き換えに後藤さんを解放するというイスラム国の要求について話す後藤さんの声の録音が付けられていた。

 米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」のリタ・カッツ(Rita Katz)ディレクターは、この画像は急いで作られたとみられ、イスラム国が公式に公開する映像に通常は付いているイスラム国の主要メディア部門「フルカン・メディアファウンデーション(Furqan Media Foundation)」のロゴも付いていないと指摘し、「他の斬首ビデオとは違うスタイルで作られている」と述べた。

 しかしSITEは独自の調査とイスラム国などの武装勢力のオンラインのインフラ事情を示して、投稿された画像はイスラム国が正式に公表したものだと確認できたとしている。(c)AFP/Harumi OZAWA, with Olivia Hampton in Washington