【6月29日 AFP】フランス東部サンカンタン・ファラビエ(Saint-Quentin Fallavier)にある米ガス化学製品メーカーの工場が26日に襲撃された事件で、勤務先の運送会社の経営者の頭部を切断したと自供したヤシン・サルヒ(Yassin Salhi)容疑者(35)が「自分撮り」した写真が、シリアに送られていたことが分かった。捜査に近い筋が28日、明らかにした。

 このニュースは、警察のテロ対策専門部門の取り調べのためサルヒ容疑者がフランス第2の都市リヨン(Lyon)から首都パリ(Paris)に移送されているさなかに明らかになった。

 捜査に近い筋によると、同容疑者は28日になって犯行を認め、経営者殺害をめぐる「状況についての詳細」について供述した。

 捜査当局は27日、同容疑者が自分自身と切断した頭部を一緒に写した写真1枚をスマートフォン向けチャットアプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」でカナダ国内の番号に送ったことを把握したが、カナダの番号は中継に使われただけで本当の受取人の居場所は世界のどこでもあり得ると警告していた。

 イスラム過激派に合流するため数百人規模のフランス人がイラクやシリアに行っており、マニュエル・バルス(Manuel Valls)仏首相は28日、なんらかの形でイスラム教徒の理念に関わっているフランス人は約1800人に上ると述べていた。(c)AFP/Richard CARTER/Stéphane ORJOLLET