【8月14日 AFP】米ニューヨーク(New York)の警察共済組合が、ホームレスの人々の写真を撮影してインターネット上で共有するキャンペーンを立ち上げ、貧しく弱い立場の人々を利用し辱しめる行為だとして猛烈な非難を浴びている。

 問題となっているのは、警察共済組合がホームレス増加の対応策として画像共有サイト「フリッカー(Flickr)」上で開始した「いないいないばあ(Peek-a-Boo, We See you too!)」キャンペーン。同組合は、ニューヨークを破滅に導いているとして、ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長(民主党)を批判している。

 エド・マリンズ(Ed Mullins)組合理事長は、組合員に宛てた文書で、デブラシオ市長の失策によって殺人事件や路上生活者が増加し、全米で最も安全な大都市というニューヨークの評判が落ちていると非難。その対策として、非番の警察官やその友人、家族、一般市民らに、ホームレスの写真を撮影して共有するよう呼び掛けた。

 マリンズ氏は、「あなたのスマートフォン(多機能携帯電話)を活用して、路上で寝ているホームレスや挑発的な物乞い、公共の場で放尿する人、屋外での麻薬使用など、生活の質を脅かすあらゆる行為を撮影してください」と述べている。

 文書では、組合に宛ててメール送信された写真はフリッカーの組合公式アカウントに掲載され、写真と共に寄せられた苦情は当局に提出されるとされていた。

 警察組合は、治安悪化などに対する啓発がキャンペーンの目的だと説明しているが、ネット上では激しい批判が噴出している。フリッカーユーザーからは「ホームレスを公然と辱める作戦だ」「なんて無神経でばかなんだ」と非難する声が相次いだ。(c)AFP