【11月8日 AFP】8日に行われた歴史的なミャンマー総選挙は、同日午後4時(日本時間同日午後6時半)に投票が締め切られたが、開票作業に数日かかる可能性がある。ただ、作業が終わった後、最も起こる公算が大きい結果はどのようなものだろうか。可能性の高いシナリオを次に挙げる。

1.アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏の野党が、圧倒的過半数を獲得

 これは、長い間軍事政権によって自宅軟禁下に置かれ、仲間は政治犯として投獄され、その間、国の経済が停滞するのを見てきたスー・チー氏にとって理想のシナリオだろう。

 圧倒的過半数を獲得すれば、来年初めに予定される議会での大統領選出で、スー・チー氏が党首を務める最大野党・国民民主連盟(NLD)が大幅に優位になる。これを実現するには、NLDが今選挙で争われる491議席の67%を勝ち取る必要がある。

 これとは対照的に、軍を後ろ盾とする与党・連邦団結発展党(USDP)は、今選挙で争われる議席の33%を獲得すれば過半数を確保する。なぜならミャンマーの軍政下で制定された憲法規定に沿って、議席の4分の1は軍に任命された人物に割り当てられる。こうした議員は、USDPと連携する可能性が高い。

 また、外国籍の配偶者か子どもを持つ人物は、現憲法上、大統領になる資格を認められていないため、スー・チー氏は勝利しても大統領にはなれない。この憲法規定は、英国籍の息子2人を持つスー・チー氏の大統領就任を阻止するために設けられたと考えられている。