【11月3日 AFP】シリアで空爆作戦を強化しているロシアの国防省は2日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に掌握されているシリア中部のパルミラ(Palmyra)を露空軍が爆撃したと発表した。パルミラには国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されている古代都市遺跡がある。

 露国防省の声明によると「スホイ25(SU-25)攻撃機が、ホムス(Homs)県タドモル(Tadmur、パルミラのアラビア語名)にあるISの要塞化された拠点を空爆した」「直接攻撃の結果、防壁と地下壕(ごう)、対空砲を破壊した」という。

 空爆を行った時期については明確にしなかったが、この2日間にシリア各地で237か所の目標を空爆したとしている。

 一方、在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、ロシア機が2日にパルミラを標的とした空爆を行ったと発表した。歴史的な城塞が複数回の爆撃を受けたが詳細は不明だという。

 パルミラ出身の別の活動家も、同市西端にある城塞に対してロシアの攻撃があったとAFPに述べた。ただ、「被害規模は確認できなかった」という。

 露国防省はこれまでにも露軍機がパルミラ近郊を空爆したことは認めているが、歴史的遺跡は避けたと主張していた。

 一方、シリア国営テレビは10月初め、露軍機がシリア空軍との共同作戦でパルミラ「内外の」IS拠点を空爆したと報じていた。(c)AFP