人生を退屈にするか、面白くするかは、「現実」が決めるのではありません。

「考え方」が決めます。(「プロローグ」より)

そして、人の心の流れは「出来事」→「思考」(考え方、捉え方)→「感情」→「行動」→「相手の反応」→「結果」という順序で流れて現実に影響を与えるもの。つまり「結果」を変えたいなら、この流れのどこかを変えればいい。そして、起きた出来事をどう捉え、どう考えるかという「思考」が変わると、「感情」に変化が起き、「行動」に違いがあらわれ、「相手の反応」が変わり、「結果」(現実)が変わっていく。

そう主張するのは、『ものの見方検定――「最悪」は0.1秒で「最高」にできる!』(ひすいこたろう著、祥伝社)の著者。心理カウンセラー資格を持ち、『3秒でハッピーになる名言セラピー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などのベストセラーを生み出してきた人物です。

とはいえ、私たちはついマイナス方向に考えがち。そこで、第4章「マイナスがプラスに反転する見方」からヒントを探し出してみましょう。

「思い通りにいかないとき」の見方

人は「お金がないからできない」「コネがないから無理」「不況だからできない」など困難な条件をあげ、できない理由を説明しがち。つまり、思い通りにいかないことを嫌うわけです。でも、思い通りにいかないからこそ、おもしろい。著者はそう見ています。先が見えないことに挑戦するときには不安が伴うもの。でも、不安のあるところに、未知なる可能性もあるという考え方。

そこで著者は、その状況をゲームとして捉えることを勧めています。ゲームにすれば、困難も困難でなくなるという発想です。

まずは理想を描くんです。行きたいゴールを決める。やりとげたいミッションを決めるのです。(中略)すると、あとは困難は向こうからやってきてくれますので、それらをひとつひとつ乗り越えていくだけです。(165ページより)

そして、ゲームをおもしろくするには、2つの要素が必要だとも主張しています。まず、是が非でもたどり着きたいゴールを決めること。しかし、それだけではゲームはおもしろくならない。そこで必要になるのが敵(障害)。現実に当てはめればイヤな上司だったり、ライバルだったり、お金がないことだったり、スタッフがいないことだったり、立地が悪いことだったり。これらの障害こそゲームをおもしろくしてくれる「設定」であり、どう乗り越えるかがゲームのおもしろさだというわけです。(155ページより)

「寂しい」の見方

「自分はまわりから必要とされていない」というような寂しさは、ときとして人を追い込みます。しかしそんなときは相手に具体的な頼みごとをし、「自分は必要とされている」と感じさせることが大切だと著者は記しています。

その感覚が、男性の場合は「誰かの役に立っている」という実感を求めることにあらわれ、女性の場合は、「大切にされたい、愛されたい」という思いにあらわれるのだとか。どちらにしても、人と人とのつながりのなかに大きな幸せがあるということです。孤独とは、つながりを感じられない状況なので、「役割」を思い出せばいい。

「役割なんてわからない」という人には、最適のレッスンがあると著者はいいます。まず、鏡を5枚買って部屋でよく見る場所にかける。そして鏡に目が行くたびに、ニッコリ微笑む。素敵な笑顔が出るようになると、次第に頼まれごとがやってくるそうです。そして次第に、頼まれることに傾向が生まれてくる。その傾向こそが、自分にピッタリな役割なのだということです。(166ページより)

「空腹」の見方

100%の的中率を目指していた江戸時代の観相師(からだの相による占い師)である水野南北。彼が最終的にたどり着いた結論は「相」ではなく「食」だったというエピソードを、著者はここで取り上げています。つまり「小食」こそ唯一の開運の法則であり、運を高める奥義だということ。「空腹の時間」と「運勢と健康」は比例するということです。

小食にするレッスン

1.「いただきます」と食材に感謝していただく。食べ終わったら、「ごちそうさま」と感謝で終える。

2.箸で1回にとる量をできるだけ少なくする。

3.口にしたものは、よく噛んで味わう(できれば30回以上)

4.一口、口に入れたら箸を箸置きに置くクセをつける。

5.習慣が根付くとされる21日間、これらのことを実行する。

(182ページより)

著者はこの項を、「食べ方は、生き方です」と結んでいます。(174ページより)

「もうムリ・不可能」の見方

夢に向かう人ほど、「無謀だ」「無理だ」「現実を見ろ」といわれるもの。しかし、「希望」を見たいからこそ、自分を信じることが大切。そして「無理」「できない」と追い込まれたとき、自分に問うべきは「もし、できるとしたら、なにをすればいいか?」ということだといいます。できる前提で考えるということ。

そして、いますぐできる小さなことを100個ノートに書き出し、かたっぱしからやってみる。できる前提で考え、無理なくできる小さな一歩を踏み出し続ける。そうすれば、新しい自分に出会えるといいます。(184ページより)

このような見方や考え方を、実際にはクイズ形式で紹介しています。だから、無理なく頭に入ってくるはず。「最悪」を「最高」にするために、読んでみてはいかがでしょうか?

(印南敦史)

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