あの男が帰ってきた。
エイフェックス・ツインと並び、エレクトロニックミュージック界で強烈な異彩を放つスクエアプッシャーが、3年ぶりに新アルバム「DAMOGEN FURIES」(ダモジェン・フューリーズ)を4月にリリース。そして5月には11年振りとなる待望の単独ライブを行います。
スクエアプッシャーと言えば、音を映像化できるLED内蔵マスクが際立っていた「Ufabulum」や、また人間の域を超えた超絶技量を備えるロボットバンド「Z-MACHINES」とのコラボレーションで、マシーンが作るサウンド・データをオーディオビジュアルショーへと視覚的に変換させる実験的な演奏を、ここ数年行ってきました。
新アルバム「DAMOGEN FURIES」は、そのオーディオのビジュアル化で辿り着いた新境地とも言える作品。まず、スクエアプッシャー自身が開発設計に取り組んできた音楽制作ソフトウェアをフルに活用。アルバム収録曲全てが編集無しのワンテイクで録音するという、このデジタル時代にアナログ的な発想?を導入して、聴く人に予想も出来ない展開を用意しています。
さらに、プロジェクションマッピングなどプリセットされた物とは全く異なり、演奏する音を複雑なビジュアルでリアルタイムに生成するシステムを開発してライブ・パフォーマンスに導入。急速にセットが変化していく様子が見れる動画は、公開後すぐにネットでも話題に。ビジュアルやデータを使いながら、パフォーマーの即興性をより「人間的」に見せる演出は、ライブ体験の未来の形をプロトタイプ化したようにも見えます。
そのスクエアプッシャーが満を持して東京と京都でライブを5月に開催。そして今回、東京で行われるライブには、ライゾマティクスの真鍋大度氏がフロントアクトとして急遽参戦が決定しました。
データを駆使したオーディオビジュアルのアーティストとして共通点がある2人は、実は、最も人間的な演奏が醍醐味といえるジャズを通ってきたという別の軸でもつながっています(真鍋さんの父はジャズ・ミュージシャン)。
データを操りながら、あくまで人間的な表現を探る2人のアーティストがどんなステージを繰り広げてくれるのか、気になる人はライブ会場まで足を運んで実際にオーディオビジュアル・ショーを見てください。
アーティスト:スクエアプッシャー
新アルバム「Damogen Furies」
レーベル:Warp Records/Beat Records
リリース日:2015年4月21日
詳細情報はこちらからどうぞ。
ライブ情報日時:5月15日(金)OPEN/START 18:00
場所:恵比寿ザ・ガーデンホール
チケット:前売 5,940円(税込)
日時:5月16日(土)
場所:スチールの森 京都
チケット:前売 7,500円(税込)
詳細情報はこちらからどうぞ。
source: Squarepusher、Beatink
(鴻上洋平)