【3月19日 AFP】ドイツのレーストラック、ホッケンハイムリンク(Hockenheimring)のゲオルグ・ザイラー(Georg Seiler)代表が、2015年のドイツGP(German Grand Prix 2015)はホッケンハイムでは開催されないと明言した。

 今年のドイツGPについては、同会場で7月19日から開催されることが検討されていたが、サイラー代表は独日刊紙ビルト(Bild)に対し、準備が間に合わないと話している。

 ザイラー代表は、「F1のレースがここで開催される望みはもはやない。大会を組織するにはもう時間切れだ。それでも開催しようと思えば、大会の質を落としかねない」とコメントした。

 ドイツGPは、ホッケンハイムリンクとニュルブルクリンク(Nurburgring)で1年交代で開催される予定になっており、昨年はホッケンハイムで開催されたが、新オーナーを迎えたニュルブルクリンクは2015年の開催契約を結んでいなかった。

 F1の最高責任者、バーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)氏は1月、ドイツGPは今年もホッケンハイムで開催すると話していたが、発表された今シーズンの日程には会場が明記されていなかった。

 それでもエクレストン氏は16日、英メディアに対して、ドイツGPを開催するのであれば、現実的な選択肢はホッケンハイム以外にあり得ないと話していた。

 ザイラー氏は、エクレストン氏からの連絡があれば、状況は一変する可能性もあると述べる一方で、電話が鳴ることは期待していないとも話している。

「エクレストン氏が明日にでも電話してきてくれれば、状況は変わるかもしれない。しかし、彼がそうするとは思わない」

 ホッケンハイムでの不開催が正式に決定したわけではないが、16年大会と18年大会の開催が頭にあるザイラー氏によれば、開催にあたってはいくつもの問題があり、なかでもチケットについては、必要な枚数をさばくには時間が足りないという。

 ザイラー氏は、「クリスマスのかき入れ時など、すでに3か月か4か月、チケットを売る機会を逃しているんだ。今年の売り上げがふるわないことで、うちに決まっているはずの2016年と2018年の大会の会場が再考でもされたらかなわない」と語った。

「それに私たちは来年、満員の観客が詰めかけたサーキットで、ドイツ人2人が表彰台に上がるところを見たい」

 ザイラー氏は、今回の件はニュルブルクリンクの資金難が原因であって、ホッケンハイムに落ち度があったわけではないと強調している。

 ザイラー氏はドイツのウェブサイト「Motorsport Magazin.com」で、「われわれはF1を愛しているが、資金援助がなければ、こっちだって手いっぱいだ」と語った。

「ぜひ理解してもらいたいのだが、この件がうまくいかないのは、われわれのせいではない。むしろ、ニュルブルクリンクが2015年大会の会場になり得ないなかで、開催を目指してできる限りのことをしている」

「それでも、われわれの手でどうにかなることじゃない。一番の問題は金と時間だ」

(c)AFP