【6月8日 AFP】欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)決勝で歴史的偉業の3冠を達成しながらも、その去就は未定とされているルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督だが、FCバルセロナ(FC Barcelona)で史上初のチャンピオンズリーグ連覇を目指したいと考えている。

 6日に行われたチャンピオンズリーグ決勝で、後半にルイス・スアレス(Luis Suarez)とネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が得点を記録したバルセロナは、ユベントス(Juventus)を3-1で破り、2度目の3冠を達成した史上初めてのチームになった。

 バルセロナを率いて1年目のエンリケ監督は、スペイン1部リーグ、スペイン国王杯(Copa del Rey 2014-15)、欧州チャンピオンズリーグのタイトルを獲得し、2008-09シーズンに元指揮官のジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏が達成した偉業に並んだ。

 バルセロナの欧州チャンピオンズリーグ制覇は今回が通算5度目となり、そのうち4回はここ10年間で成し遂げている(2006年、2009年、2011年、2015年)。

 エンリケ監督は、チームのタイトル獲得に対する欲望が尽きることはないとしており、史上初のチャンピオンズリーグ連覇を達成することで、新たな歴史を作りたいと語っている。

 45歳のエンリケ監督は、「(チャンピオンズリーグ決勝は)われわれにとって今季60試合目で、そのうち敗戦は6試合、引き分けは4試合しかなかった。これらの数字は、バルセロナにとって今季が最高のシーズンであったことを指し示している」と語った。

「バルセロナはこの10年間、欧州で最も成功したクラブだ。選手たちは飽くことのない勝利への意欲を見せてくれた。われわれはより多くのタイトルを獲得することで、彼らを成長させなければならない」

 エンリケ監督は、クラブの会長選を控えているジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)現会長との関係が良好とはいえず、まだ来季の続投が確定していない。

 エンリケ監督は、「今は勝利を喜びたい。だけど、決断を下さなければならない時がいずれやって来る」と語っている。

「チームが移行期を迎え、難しいシーズンだったが、私をバルセロナの指揮官に任命してくれたすべての人たちに感謝したい」

 バルセロナは2009年に3冠を経験しており、バルセロナ以外でその偉業を成し遂げたのはセルティック(Celtic)、アヤックス(Ajax)、PSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、インテル(Inter Milan)、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)しかいない。そしてバルセロナは今回、2度目の3冠を達成した史上初のチームになった。

 バルセロナのリオネル・メッシ(Lionel Messi)は、シャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)、アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)とともに、元オランダ代表のクラレンス・セードルフ(Clarence Seedorf)氏に並ぶ通算4度目のチャンピオンズリーグ優勝を果たした。

 メッシはこの試合、ユベントスのGKジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)にセーブされたものの、自身が放ったシュートでスアレスのチーム2得点目を演出した。

 しかし、試合を通しては無得点に終わったため、3大会の決勝でゴールを記録する史上初めての選手になることはできなかった。

 それでも、メッシ、ネイマール、スアレスの3人が公式戦で合計122得点を記録しているバルセロナにとって、ユベントスとの決勝はチーム一丸となって手にした勝利だった。

 マンオブザマッチに選出されたイニエスタは、イヴァン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)の先制ゴールをアシストし、ペドロ・ロドリゲス・レデスマ(Pedro Rodriguez Ledesma)は、ユベントスの守備陣を自身に引きつけてネイマールのチーム3得点目をお膳立てした。(c)AFP